枇杷の季節も終わりましたが、長崎はその産地として有名です。
こちら地元では濁らず「ひわ」という方もいらっしゃいます。
今年も庭に2本ある枇杷の木にたわわに実る実を、高切り鋏で切って大収穫でした。
昨年は酵素ジュースを仕込んだものでしたが、今年はお客様のおもてなしのデザートに使いました。
長崎を代表する銘菓となった感じの「枇杷ゼリー」は、見た目も涼しげであっさりした夏のデザートです。
果肉はシロップに白ワインとレモン汁を効かせコンポートに、それを纏うゼリーは口に運ぶととろけるようです。
これに旬の山桃のシロップ煮を添えました。
次にご紹介するのは濃厚な味わいのムースです。
ちょうどプリンの様な出来上がりですが、たまたまあった3年熟成の梅のレドックスをゼリーで固め、カラメルみたいになりました。
ムース本体はカスカードクリームをベースに、バターや牛乳に生クリームは使わず、豆乳にココナッツオイルとコーンスターチで軽く仕上げてあります。
これにも金柑や山桃のシロップ煮と、春に仕込んでおいた蕗の砂糖漬けをつけあわせます。
さぁ、冷えたクリスタルのガラスに盛り付けてお客様の元へ。
さて枇杷と言えば癌に効くとか言って、葉や種を乾燥させたり、アルコールに浸けたりで重宝されていますね。
枇杷茶や葉のエキスなども見かけます。
私の教室でも葉を陽に干してお茶にしたり、種を乾燥させ粉末にしたりしました。
しかし、枇杷の種に含まれるアミグダミンが、青酸カリと似た様な作用があるとかで、身体に良いのか悪いのかわからなくなりました。
どんなものでも良いと言う立場の人と、逆の立場をとる人がいます。
また、日和見的にどちらの意見にもなびく方が大勢なのは、食や健康の分野でもありがちな事ですね。
また甘いものに話しを戻しましょう。
以前レストランを営んでいた頃は乳製品を使った冷菓や、タルトなどの焼き菓子をよく作ったものでした。
教室を持ってからはなるだけ和食の、それも家庭料理の延長に留めて、季節感を楽しめるものを創造しております。
これからの夏の季節には枝豆や、抹茶に粒あんを取り合わせた羊羹やムースをご紹介していきますが、懐かしさや意外性を散りばめて、お客様に食後のひと時を豊かに過ごしていただけるように願っています。
長崎市にある季節の家庭料理教室こんそーるは、鳥のさえずりに、風に木の葉が擦れ合う音聞こえる中、心地良い音楽と季節の移ろいを表した料理を、五感で感じながら過ごせる空間です。