この記事でも再三ご紹介しているAさん。
もう私の教室に通い始めて10ヶ月にもなります。
3度の食事のほとんどを自分が作っているそうですが、今一つ煮物と酢の物の味付けに自信が持てないとおっしゃいます。

私の教室では特にレシピはなく、何度も何度も味見をしてもらうスタイルなんです。
それに数多くの料理をご紹介したいとの想いから、私が様々な料理を作る工程をしっかり見ていていただいています。

こんなスタイルでやってきたのですが、今回から味付けをAさんにやっていただくことにしました。
さすがに毎日の食事を作られているので、特に躊躇することも無く無難な味付けをされました。

よく味付けは『さ・し・す・せ・そ』の順番で!とかお聞き及びの事と思います。
酒や砂糖を入れ煮た後に、塩に醤油の順番で味付けすると美味しい料理が出来上がる訳です。

今回献立に選んだのはご覧の一汁三菜です。
(大根なますのきらず和えに卯の花は昨日の教室のものです)

主菜が『鶏肉団子と蕪の煮物』に、『ヤーコンと締め鯖の酢物』『茶振りナマコのカボ酢』、ご飯は『二色薩摩芋の炊き込みご飯』と『鯵と烏賊のつみれ汁』です。

鶏肉団子と蕪の煮物

鶏挽肉にお麩の擦りおろしと卵を加え、お味噌を隠し味に入れ調味します。
煮立ったお湯に団子を加えながら、面取りした蕪を入れてさ行の順番で調味します。
最後に油抜きした薄揚げと蕪の葉を加えます。

色目が白い料理なので、器の内側に賑やかに馬の目紋様と赤絵が入った煮物椀に盛り付けました。
柔らかな団子とクタッとした蕪の食感に、薄味のほんわりとした味付けは心和みます。

ヤーコンと締め鯖の酢の物

さて酢の物の方ですが、砂糖と塩それに甘酢でこしらえた締め鯖を準備し、ポリフェノールとフラクトオリゴ糖豊富なヤーコンの千切りに、大根や人参や蕪を加えて最小限の塩気で揉みしんなりさせます。
水気を絞り甘酢で味付けしたものに締め鯖を盛り付けます。

茶振り海鼠のカボ酢

海の鼠と書いて「なまこ」と読むこの奇怪な生き物は、最初に口にした人には敬意を払わざるを得ません。
よくぞ試してくれました!って感じです。
私もAさんも大好きな珍味で、この季節または正月にはマストな酢の物です。
でも何故か女性には人気がないようですね。

沸いた番茶に生の海鼠を入れ、ぷっくりと丸まったところを冷水に放ち、縦に切れ目を入れて内臓を出します。
番茶で霜降りにすることで、柔らかく切りやすくなります。
おろし大根に豆板醤を加え、柑橘を添えてポン酢をかけていただきます。

ああっ、やっぱ旨いよなあ…

鯵と烏賊のつみれ汁

とびっきり活き良い鯵の身と紋甲烏賊をフードカッターにかけ、調味したものを型に詰め蒸しあげます。
これを紅白の大根と人参に小松菜それに松葉柚子と共に椀に盛り、鯵のアラで出汁を取り吸い地として味付けしたものをタップリと張ります。

こうして日曜日のランチタイムに、世界情勢や食べ物のことについて話し出すと止まらない私とAさんは、久しぶりに時が過ぎゆくのを気にかけず、幸せなひと時を過ごしました。

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