今回の教室は松花堂弁当箱を使っての、おもてなしの食卓を意識した献立です。
テキスト本にある角煮と白和え、それに出汁巻き卵が生徒さんのリクエストでした。

猪肉の角煮(東坡煮)

その角煮ですが、豚肉ではなく猪肉が手に入りました。
恐る恐る猪はお好きですか?ってお尋ねしたら、食べたことがないとの事でした。

せっかくの機会ですから、野生の滋養豊かな味わいを試していただきました。

私としても久しぶりの猪肉でしたが、そのもっちりとした肉感と、全く臭み感じないトロトロの柔らかな仕上がりに、思わず『旨いなぁ!』と唸ってしまいました。

生徒さんも大変お気に召したご様子でしたから、胸を撫で下ろした次第です。

私の教室がある長崎は南蛮文化の影響もあり、四つ足の肉を大きく切り煮込んだものを東坡煮といいます。

あちこちの料亭のおもてなし料理に卓袱がありますが、その献立にも供される一品です。

大蒜と生姜に長葱はいつものように下茹でに用い、今回は紹興酒に八角と肉桂を加えて、圧力鍋で約1時間程煮込みました。

差し入れて下さった方の、猟で仕留めた後の処理の方法が上手なのでしょうか、それに冬場で脂肪を蓄えていることも有るのかも知れません。

これは到底豚肉では味わえない奥深さです。

白和えと出汁巻き卵

白和えは今回で2回目のご紹介です。
前回ご自分で作ってみて水気が多く、美味しくなかったそうです。
豆腐の水切りのやり方に、和え衣の味付けの勘所と和えるタイミングなどをお伝えしました。

さあ、出汁巻き卵ですがこれも慣れない方には、なかなか難しい料理かも知れませんね。
焼き上げて巻き簀に取り立てて置くと、余分な水分は抜けるのですが、丁度良い出汁の量は慣れてくると増えていきます。

卵焼きとは違い甘さは控え、卸し大根と一緒につまむとなると、やはり出汁の美味しさがきめてになります。
鰹や昆布の旨味濃いのがやはり大事です。
芹や桜海老にシラスなど加えると春の走りを感じますね。

この3品に翌日のおもてなし用に作った、じゃが芋とスナップ豌豆のコロッケを添えました。
春らしい春菊のソースを添えましたが、なかなかのマッチングでした。

ご飯は雑穀入りの炊き立てご飯に、茹でて薄く味付けした菜花を加え、金胡麻を混ぜ込んだものにしました。
近所の川辺から摘み取ってきた土筆の甘酢漬けを添えて完成です。

唱歌『早春賦』に「春は名のみの風の寒さよ」とありますが、行きつ戻りつ桜咲く春はもうじきですね。
季節の移り変わりを愛でる、風土に生まれ幸せを感じます。

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