『魚料理だけが何しろ苦手で下ろせるようになって、いろんな料理をできるようになりたい!』

こんな依頼を電話でしてきたOさん。
息子さんと二人で参加したいとご希望のお父さんでした。

今回で3回目になる教室も、特に息子さんは魚の下ろすのにも随分と慣れて、なんとなく余裕を感じました。
前回は小振りのイトヨリ鯛を下ろす練習にと、10匹程帰宅してからの宿題に持たせました。
全部息子さんが下ろし刺身にして、仕事から家に戻るお父さんのために拵えたそうです。

食べることに貪欲な方は大好きです。
この親子さんもその魚料理に寄せる、関心の高さにはこちらも舌を巻きます。
これから出廻る旬の魚の話題にまずは刺身だねえ…いやいや煮付けもいいんじゃあ…やっぱり揚げ物でしょう!とよだれ出そうなくらい想像が膨らみます。

この2回に渡る教室で作った料理は写真の通りです。

2回目の教室では鯵フライがメインのリクエストでした。
頭落とした身を開き中骨の外し方を教え、衣を纏わせひたひたのココナッツ油でこんがりと片面ずつ揚げます。
タルタルソースは胡瓜のピクルスの替わりにらっきょうを刻み入れた物です。

それから魚卵と笹掻き牛蒡を薄味で煮含め溶き卵で閉じた柳川風と、小鰯のつみれ団子のお吸い物飛魚の一夜干しを焼きほぐした身を混ぜご飯に、自家製の胡瓜キムチをご紹介しました。
つみれの柔らかくぷりぷりとした食感は絵も言えぬ美味しさでした。

昨夜の三回目の教室では太刀魚を使った料理をご希望でした。

まずは太刀魚の銀色のグアニンでできた表面をこさぎ落とし3枚に下ろします。
一匹はコリコリとした歯応えを楽しめるお刺身にします。
もう一匹は薄味で煮含めた牛蒡を芯に、グルグルと巻いたものを油で転がしながら焼き色付けじっくりと煮含めます。
太刀魚の八幡巻きです。
京都八幡地区が牛蒡の産地である事からこの名があります。

更に夏の風物詩であり高級魚の『鱧』を唐揚げにしてチリソースで合わせたもの。蛇のような魚体にいかつい頭のその身は、上品な白身ですが、なにしろ骨が凄まじい。
そのびっしりと並ぶ鋭い骨を断ち切るのに、鱧切り包丁なるものがあるのですが、私はシコシコと小出刃包丁で切っていきます。

それに滅多にお目に掛かれない『赤えい』のお煮付けです。
スーパーの店頭にはまず並ばぬレアな逸品ですが、そのプリプリとしたコラーゲンたっぷりの身は、お二人の脳天を直撃したようです。
しきりに『うまい!』と唸ってました。
厚みある身の煮汁が染みた部分と、まだ白身の本来の味を交互に楽しめるお煮付けはお勧めの一品です。

次回は魚料理離れ中華の定番料理をお教えすることになりました。

どうぞお楽しみに!

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