ファッションに目覚める

料理の世界に足を踏み込む前から、今も変わらずずっと興味ある事があります。

『衣食住』の中の『衣』に関する事です。

両親が営んでいた軽食・喫茶の店に立ち寄った、大阪からの当時大学生だった若者三人組の、周りには見たことない服装に中学生だった私は強烈な刺激を受けました。

ずっと昔に銀座あたりを闊歩していた『みゆき族』のような、白のボタンダウンシャツの半袖に黒のニットタイを締め、細身のズボンに一枚皮のインディアンモカシン姿にすっかり心奪われました。

しばらく家に泊めることになった彼らに、自分も同じ格好をしたいのでどんなメーカーのものをどこで買えば良いか?

今後何を参考にして服を買えば良いのかを食い入るように尋ねました。

彼らが着ていたものは当時のアイビールックの代表メーカー『VAN』や、やや大人びたトラッドのメーカー『Kent』の服に、足元は今も現存する『Regal』の靴だったのです。

そして参考にするものとして今は廃刊の雑誌『Men’s club』を勧められました。

早速買って見てみるとアメリカの名門大学ハーバードやコロンビアのキャンパスを歩く学生の姿や、ニューヨークの街角で見掛けるビジネスマンの颯爽とした服装でした。

今回のコロナ禍で不況の煽りを受け倒産した米国の老舗メーカー『Brooks brothers』や、日本でも有名な『J.Press』の服は当時は高嶺の花でした。

写真を眺めてはため息をつき憧れの的だったものです。

雑誌に加え本も買って、服の成り立ちやディテールの細々したことを頭に詰め込みました。

スーツやジャケットスタイルのこうあるべき的な決まり事も、自然と身に付いていったのです。

やがて高校生に大学生になり胸ポケットにエンブレムと言う、所属組織の意匠を刺繍したワッペンを縫いつけた定番の紺ブレザーや、真っ赤なオッドベストに斜め縞のレジメンタルストライプのネクタイなどを揃えていったのでした。

少しずつ手持ちの服は増えてきましたが、欲しいものはキリがありません。

イギリスのアラン島の漁師が着る粗目模様のフィシャーマンズセーターや、各家庭の家紋とも言うべきタータンチェックのウールシャツも揃えました。

また房の飾りが付いたタッセルドスリップオンシューズなどもワードロープの一つでした。

これらは40年経った今も持ち続け、十分に着れるものばかりです。

今はもうメンズショップに行き、正札の服を買うことはありません。

ユニクロ始め大手メーカーの売れ残りの服が、毎シーズン大量に廃棄される現代です。

本来流行を追いかけるような事にたいして興味がないこともあり、もっぱら昔からのワードロープに加えて、古着屋で安く購入した服を組み合わせ着回しております。

来年から数年前から暖めてきた企画を実行しようと準備しております。

一言で表すならばミドルエイジの男性のセンスアップのお手伝いです。

ファーストインプレッションつまり第一印象で、大方その方のイメージが決まると言うといかがでしょう。

今更そんな事に気をつけても…との溜息混じりの声が聞こえてきそうですね。

今回はこの辺りで終わります。

次回は具体的にその大切さをお話ししようと思います。

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